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ニッキーの日記

今年も頑張ります。

第16回「握り寿司の名人」

 今日は寿司を食べまして、寿司と言う食べ物は本当に最高なのですが、ここで魯山人が書いた「握り寿司の名人」の冒頭をそのままコピー&ペーストしたいと思います。魯山人は死後50年経っており、著作権フリー。これが青空文庫、さらには著作権法の圧倒的な力(パワー)。私は「握り寿司の名人」を、たった今初めて読んだわけですが、いや、それよりも先に、今日食べた寿司の感想を書きたいと思います。

 東京における戦後の寿司屋の繁盛は大たいしたもので、今ではひと頃の十倍もあるだろう。肴と飯が安直にいっしょに食べられるところが時代の人気に投じたものだろう。しかし、さて食える寿司となるとなかなか少ない。これは寿司屋に調理の理解がないのと、安くして評判をとるために粗末になるからだろう。

 どうですか。「なんか急に高級な文章になったぞ」と驚きませんでしたか?そうです。今の文章は、私が今日行ったスシローの感想ではない。これこそが魯山人の、「握り寿司の名人」なのです。既にコピー&ペーストは始まっているのだ......。で、今日行った寿司屋なのですが、現に新橋付近だけでも何百軒とあるであろう。この中で挙げるとなると、昔、名を成した新富その弟子の新富支店、久兵衛、下って寿司仙くらいなものだろう。安田靱彦さんが看板を書いてるのもあるが、これは主人が作家でないらしくすべての上で私の気に入らない。

 どうですか!?どこからが魯山人で、どこからが私なのか、もはや分からないでしょう。素晴らしい。まるで私が、超絶の文章力で、超絶の寿司エッセイを書いているような、そういった印象を受けるのではないでしょうか!?まぁ、とは言っても、いったい寿司のウマイマズイはなんとしても魚介原料の問題で、第一に素晴らしいまぐろが加わらなければ寿司を構成しない。その他、本場ものの穴子の煮方が旨うまいとか、赤貝なら検見川の中形赤貝を使うとかで、よしあしはわけもなくわかるが、とにかくまず材料がよくなくては上等寿司には仕上がらない。海苔もよくなければいけないのは勿論である。海苔も部厚なものが巻きに適するが、厚いものにはよい物がないが部厚でありながらよい物を備える必要がある。「米」これは福島辺あたりが一等で、新潟のも使える。しかしその炊たき方――程度がむずかしい。酢は米酢と称するものが一番で、関西寿司の用うる白酢ではだめだ、飯に三分づきくらいの色がつく酢が旨い。それから飯の味付けは、上方式に米の中に昆布こぶ、砂糖などでいろいろ加味しては江戸前にはならない、塩、酢、だけの味付けが本格である。また飯の握りの大きいのは安物である。大きく握るものにろくなすしはない。小握りが上等品となっている。一等品は贅沢屋の食べるものだから。

 

......ということなんですよねぇ。おわり。

【出典】青空文庫北大路魯山人 握り寿司の名人

これは怒られるぞ。