読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

ニッキーの日記

今年も頑張ります。

第185回「涅槃仏(ねはんぶつ)」

 これまでの人生で、今日が1番何もしていない日かもしれません。ずっとソファーで横になっていました。言ってしまえば、ミャンマーの涅槃仏みたいになっていましたね。念のため、Googleで検索した画像を掲載しておきます。

f:id:m15obayasi:20170312155145p:plain

何もしていないので早く推理小説の連載へ移行したい気分なのですが、そういうわけにも行きません。というか、我ながら素晴らしいシステムを思い付いたものですね。小説を掲載してしまえば、自動的に文字数は飛躍的な上昇を遂げます。前回は1700文字も書いてしまったので、正直言ってしばらくは文字数に困りません。しかしここは日記を書くサイトなので、あまり長期化も出来ませんね。あと数回で終わらせようかと思っています。では明日の予定です。

 

9:00 起床

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

嘔吐刑事の事件簿 第5話

 

(前回のあらすじ)

 

探偵かと思っていた男は、毒島毒三郎というお菓子メーカーの社員だった。この事件は誰が解決するのか。そして、この物語はいつ終演を迎えるのか......!?

 

 仲居さんの通報によって、救急車とパトカーがやって来た。もはや2階だけでなく、旅館全体が不穏な雰囲気に包まれ始めている。騒ぎを聞きつけて、客という客が2階へと偵察にやってくるが、遺体は救急車によって運ばれ、目に入るのは、ドラマでよくある黄色いテープによって封鎖された504号室にいる物々しい警官たちの姿だけであった。

「いやあ、お騒がせしています。今、監察に調べさせているところでして」

1人の警察が私と毒島のところへ近づき、そう言った。

「申し遅れました。私、警察の杉下です」

警察の杉下。これは期待できそうだ。杉下という名字の警察には有能な人物しか居ない。事件はすぐに解決するだろう。

「趣味は紅茶です」

もう絶対に大丈夫だ。というか1人でハードルを上げまくっているな。名字が杉下で、刑事で、趣味は紅茶って、もうワザとだろ。凄い意識してるじゃん。

「紅茶の転売です」

転売かよ。副収入を得るな。何で公務員が副業をしているんだ。

「あ、508号室の斉藤です」

私がそう返答すると、毒島も続ける。

「507号室の毒島です」

隣の部屋だったのか。それは知らなかった。

「趣味はばかうけの転売です」

大丈夫なのかそれは。そのばかうけはどこから入手しているんだ。束ねられなかったやつを横流ししているんじゃないのか。しかし毒島の「転売」という単語を聞いて、杉下が笑みを浮かべる。同じ趣味を持つ者に会えた嬉しさだろう。その気持ちは私にもよく分かる。

「あなたも転売をしているんですか。私と同じ趣味の方とは久しぶりに会いましたよ」

杉下が言った。

「いや、同じではないと思いますけど。私はお菓子を売っているんで」

ふざけるな。同じに決まっているだろ。前回「お菓子メーカーと作家は同じ」みたいな発言をしておいて何を言っているんだ。動揺する杉下の元へ、宿泊者の1人が近づいてくる。第4話で504号室を覗いていたカップルの男だ。

「あれれ、杉下さんじゃないですか」

男が杉下を見て言った。どうやら顔見知りのようだ。

「あ、カブラ君」

杉下が答える。カブラ君。外国人だろうか。しかし見た目はどう見ても日本人。ハーフかも知れないな。

「これ、事件なんですか。事故ですか」

「まだ分かりません。しかしカブラ君も宿泊していたとは、偶然ですね」

2人の会話を立ち尽くし聞いている私を見て、カブラが自己紹介をする。

「あ、私、501号室のカブラと申します。カブラ・ギークンです」

カブラ・ギークン。冠城くんじゃないか。4代目の相棒の本名とそっくりだ。もうここまで来ると怖いな。杉下の知り合いがカブラ・ギークン。神様はこんなイタズラをするものなのだろうか。

「杉下さんの、まあ相棒ですね」

わざと言ってるじゃん。「まあ」って確実に意識してるじゃん。杉下さんの相棒と言っておいてドラマ「相棒」をイメージしないわけがない。全く、とんでもない奴らだな。

「そうですね。まあ相棒というか、転売仲間ですね」

相棒ってそっちかよ。というか転売仲間が「事件ですか」とか聞かないでくれ。刑事なのかと思ってしまうだろ。

「カブラ君の作った紅茶を私が85円で買い取って、ネット市場に5800円で売るわけです」

今すぐ関係を解消しろ。なんで桁が2つも違うんだよ。

「確かに、そういう意味では私とカブラ君は相棒ですね」

相棒じゃなくて奴隷だろ。駄目だ。こいつらの話を聞いていても、一向に話が進まない。なんだか気分も下がったので部屋へ戻ろうとした時、我々は、この旅館でまたしても女性の金切り声を聞くことになるのだった......。