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ニッキーの日記

今年も頑張ります。

第188回「午後」

 午前2時に寝て午前6時に起きる。この偉業を成し遂げた私ですが、今日はこれが裏目に出ましたね。「そんなことが出来るのであれば目覚ましは1つで十分だな」と思い、午後11時30分にアラーム1つで就寝。その結果、午前10時45分に起床するという意味の分からないミスをしてしまいました。これは悔しい。6時にランニング、というかルームランナーで走る予定だったにも関わらず、2日目からそのルーティーンが崩れてしまったわけです。ということで、先程30分走っておきました。午後6時くらいから30分ですね。そうです。そうなんです。私、実は「朝6時」とは1回も言っていません。午後6時に走ることで、ルーティーンの崩壊を阻止したのです!!!!!!

いや無理があるな。「午後6時」に起きられないわけが無いですよね......。まあ良いか。今のところ順調です!!!!!!!!!!!!!!

 

嘔吐刑事の事件簿 第5話

 

(前回のあらすじ)

第2の犠牲者が現れる。底知れぬ圧迫感に包まれる旅館。杉下警部の指示により、私も含めた全ての宿泊客は、1階のロビーに集まることとなった......。

 私が15時にチェックインした、越後湯沢の「六六館」。3階建ての寂れた旅館だが、ここで2人の宿泊客が謎の死を遂げている。1人目の犠牲者は504号室に宿泊する女性。504号室と言うと、私の宿泊する508号室の向かい側に位置している。2人目の犠牲者も女性。503号室に宿泊していた。私の左隣、507号室の向かい側に位置している部屋だ。

「今のところ分かっている共通点は、2人が2階の部屋で宿泊する女性であること。そして室内で、それもドアを開けてすぐの玄関で亡くなっていた、という2つだけです」

杉下警部が宿泊客を前に、この一連の出来事について説明する。そして続ける。

「女性の悲鳴が聞こえた際、皆さんが部屋で何をしていたか聞いていきたいのですが」

要するにアリバイの確認か。いよいよ推理小説みたいな状況になってきたな。私がそんなことを考えていると、不意に叫び声が聞こえた。悲鳴ではない。怒りの叫びである。

「フザケルンジャナイヨ!!!私達ガ殺シタトデモ言イイタイノカ!!!」

物凄いカタコトの日本語だ。顔つきからして、アジア系の外国人だろう。

「いえ、疑っているわけではありません。あくまで形式的なものですから」

杉下警部がたしなめる。そして続けた。

「お名前と宿泊している部屋、あとは室内で何をしていたかだけ伺いたいのですが」

「ウーン、マァ仕方ナイナ......」

納得したのか、男の声は静かになる。

「早ク部屋ニ戻リタイカラ、俺カラデ良イカ」

そう言うと、右腕に付けている金色腕時計で時刻を確認した。

「仕事ガアルンダヨ」

そう言えば私にも仕事があったな。まあ良いか。

「良いですよ。ではあなたから」

男は頷き、軽く咳払いをする。

「505号室ニ宿泊シテイマス。2人目ノ悲鳴ガ聞コエタ時ハ、廊下デ野次馬ヲシテイタノデ部屋ニハ居マセンデシタ。部屋ニ居タノハ1人目ノ悲鳴ヲ聞イタトキダケデスネ」

「部屋で何をしていました」

「......取引デス」

ん、取引?

「アノ~、肉、肉ノ取引ヲ、シテイマシタ」

「肉、ですか」

「肉デス。肉ヲ買ウ取引デス。イヤ本当デス」

なんか怪しいな。本当に肉の取引をしているなら、別に「いや本当です」とか言わなくても良いはずである。それに加えて最初に大声を出したのも、疑われることへの焦りからと考えれば、妙に納得がいく。

「そういった業界で働いているのですか」

杉下警部が尋ねる。

「エ、エェ。マァソウデス。マザー牧場デス」

これは驚いた。こんな身近にあのマザー牧場で働いている人がいたとは。ディズニーランドならともかく、マザー牧場。私はこの瞬間、生まれて初めて、マザー牧場以外の場所で、マザー牧場で働いている人物に出会った。いや待てよ。マザー牧場なら別に肉を買う必要はない。そこらじゅうに動物がいるはずである。何で外部から肉を調達しているんだ。

「肉を、電話で買っていたわけですか」

「エェ......職場デ飲ミ会ガアルノデ......」

「飲み会。肉というのは、その、まるごとの肉ですか」

「骨ナシケンタッキーデス」

いやケンタッキーかよ。ケンタッキーの予約注文を「取引」とか言わないでくれ。というか骨なしだけを注文したのか。なんていうセンスだ。まあ犯人では無さそうだな。

「分かりました。えーと、お名前は」

「ハン・ニンです」

犯人じゃないかよ。

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